木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第16回】 ゆいま~る那須で過ごした、令和初の年末年始

■車窓の景色を眺めながら

 12月30日から1月3日まで「ゆいま~る那須」に行ってきました。例年だとこの時期には長靴を履いて行くのですが、今回はその必要はありませんでした。週間天気予報の中に雪の心配は全くなかったからです(本当に雪の少ないお正月です)。

 ゆいま~る那須の最寄り駅は「新白河」です。東京駅から東北新幹線に乗り約90分で着きます。指定席は進行方向の左側窓席を取るようにしています。ICレコーダーに歌謡曲フォークソングを録音してあり、それをイヤホンで聞きながら、車窓の景色をボ~と眺めます。チコちゃんに叱られそうですが構いません。

 小山駅を過ぎた頃から田園風景が広がり、ようやく都会の雑踏から離れたという感じが強くなってきます。

 

■早くもお土産ゲット

 昼12時半頃に新白河駅に着きました。昼食はいつも白河ラーメンと決めています。ちぢれ麺の醤油味です。瓶ビールを注文するのですが、この辺りでは大瓶が出るのです。中瓶と違ってずっしりと重く、飲み応えがあって嬉しいです。

 会計の時、レジ脇に酒粕が売っているのに気づきました。甘酒にしたり味噌汁に入れると美味と書いてあります。「花泉」という銘酒の酒粕だと店主から勧められました。1㎏弱で500円と値段も手頃なので買いました。早くもお土産ゲットです。

 

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早々にお土産を購入

 

 ゆいま~る那須へは送迎車を利用して15分で着きました。この前来たのは8月中旬の頃で、辺りの雑木林は葉が勢いよく繁っていました。しかし今は葉がすっかり落ちて枝ばかりです。一見寒々しい光景ですがそれだけに清々しく、居室の窓からも遠景が楽しめます。小窓から見る景色はちょっとした絵画のようです。

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小窓からの冬木立

■入居者とのうれしい出会い

 元旦は食堂でおせち料理を頂きました。敷物に並んだ料理と祝箸を前にすると、何か気持ちが改まります。翌2日に95歳を迎えるHさん(女性)の音頭で乾杯しました。人の手を借りずに毎日食堂に通われるHさんの姿には、みんな励まされています。上手な年の取り方を教えられます。

 こうした行事の集まりには、普段食堂を利用されない方も参加されます。「ゆいま~る那須」の居室は殆どが平屋で、2階建ては僅かです。たまたま私のところは2階建てで、私の居室は1階にあります。私は入居契約して7年になりますが、その2階の方とは一度も会ったことがないのです。私がたまにしか滞在しないということもありますが、やはりどんな方か知りたい、せめてお顔だけでも見たいと思っていました。

 それが今回のおせち料理席で叶いました。ふた言三言の挨拶程度でしたが、それだけでも何か安心するものがありました。自分の頭上に住んでいる方がどんな人なのか、お顔を知っているのと、知らないのとでは、気持ちの上でずいぶん違うものだと感じました。

 

 サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は当然のことながら人の出入りがあります。様々な理由で去っていったり、入居されたりします。今回も新入居の方がおりました。私は72歳ですが、その方は5つ上の77歳の男性Kさんです。

 少し話をしていたら、そのKさんが中学時代に、私の隣町に住んでいたことが分りました。そして何と同じ中学校にも通っていたのです。年が5歳離れていますから、一緒に通ったということはありません。しかし昭和30年代中頃の、川崎の一つの町の同じ空気を知っているのです。世間は広いようで狭いとはこのことです。

 当時は町に工場が多く、いつも煙突から黒い煙が流れていたこと。原っぱや沼があってザリガニを捕って遊んだこと。トロリーバスが走っており、夏にはプールで泳いで、その帰りには屋台の焼きそばを食べるのが楽しみだったことなどを話し、少年の頃にタイムスリップした思いでした。こうした出会いも大事にしたいと思います。

 

■冬の楽しみはお風呂

 冬のことで、食堂以外には外へ出ませんでした。すぐ近くにある「森林の牧場」も年末年始は休みです。あの濃厚な牛乳が飲めないのが残念でした。このブログの第6回目にも書きましたが、本当に美味で、市販されている牛乳とは全然違うのです。

 寒い時はお風呂が一番です。私の居室のお風呂は、設定温度を41度にしてありますがとても温かいです。川崎の自宅では43度にしていますが、ここの居室のお風呂よりもぬるいです。何故かと思い、ちょっと考えてみました。

 自宅はガスの風呂釜で、入浴する時に沸かしながら入ります。ここは給湯電気温水器を使用しています。温水器に貼ってある標示を見ると、「タンク容量0.37㎥ 質量(満水時)443kg」と書いてありました。かなり大型の温水器です。常にお湯が沸いており、いつでも入浴できます。

 この「入浴する時に沸かす」のと、「常にお湯が沸いている」という状態の違いが、温度差の原因ではないかと思います。給湯電気温水器はじっくりと沸かすので、冷めにくいのだと思います。芯から身体が温まる感じがします。

 私は夜の眠る前には入りません。朝風呂です。温泉の素という入浴剤を入れて、有名な温泉地の湯の色や香りを楽しみます。朝風呂は眠気がいっぺんに吹き飛んで、爽やかな朝を迎えられます。

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窓越しから虹が見えました

■帰りは新幹線から見える富士山を見ながら

 帰りの新幹線指定席は、行きとは逆の、進行方向右側窓席を取ります(とは言っても、実際は行きと同じ側になる訳ですが…)。つまり往復とも西側の風景を見ることになります。こちら側から見る景色の方が好きだからです。

 宇都宮駅辺りから富士山が見え始めます。しかし大きく見えるのは大宮駅辺りからです。空気の澄んだ冬の季節ならではの光景です。夕方のうす暗い空の彼方に、富士山の黒い影が一段と高く聳え立っています。さすが日本一の山です。

 

 数日後、お土産に買った酒粕を味噌汁に入れてみました。酒粕独特の匂いが、ひと味違った味噌汁に仕立てました。身体がぽかぽかと温まり、風邪予防にもなりそうです。酒粕は冷蔵庫に入れておけば、半年は十分に持つそうです。今度は甘酒を作ってみようかなと思っています。