木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第77回】 ほろ酔いで聞きながら‥‥

 この年末年始の間、ゆいま~る那須に5泊6日の滞在をしました。新ハウス長と副ハウス長とは初めての対面となりました。お二人とも気軽に声をかけて下さり、とても親しみやすい感じでした。また長い間療養されていたスタッフの方も復帰されて、久しぶりにお話しが出来て嬉しかったです。

 コロナ騒ぎも少し収まり、ハウス全体が明るい雰囲気になりました。なによりもマスク着用の義務化がなくなり、互いに顔を見て近くで話すのを遠慮しなくなったことがいいです。

 お正月ということで、元旦にはおせち料理が出ました。以前料理を担当していたベテランの方が、再び食堂スタッフとなり作ってくれたおせちでした。

 普段は中々顔を見られない方と会えるのも新年会の良さです。年頭にあたり、㈱コミュニティネット社長の伝言がありました。その中で新たに「和気ハウスシリーズ」が始まったことを知りました。完成期医療福祉という理念の基に、「ゆいま~るシリーズ」を展開していくのが㈱コミュニティネットの方針かと思っていましたので、意外な気がしました。両者の違いなどを今後はみていきたいと思います。

 

 年末年始の頃はまだ本格的な寒さとは言えません。なので、夜にふとんの中で寝る時は暖房器を点けません。これもゆいま~る那須木造家屋の利点だと思います。ただ1月中旬から2月中頃にかけてはもっと寒くなります。その時は果たして暖房器なしで安眠できるのか、まだ体験していないので分りません。

 元旦そうそう、スマホ地震緊急警報が鳴ったのには驚きました。那須ではそんなに揺れませんでした。私の居室にはまだテレビを置いていませんので、その時は詳しいことは分りませんでした。これが能登半島地震だったと後で知りました。翌日には羽田空港での飛行機事故など、令和6年の幕開けは正月気分がいっぺんに飛んでしまうものでした。

 

 1週間ほど前に税務署へ確定申告に行ってきました。収入が公的年金だけの者(400万円以下の場合)は申告の必要はないとのことですが、医療費控除があって還付金を請求するため、私は毎年税務署へ行っています。現在は電子申告(e-Tax方式)があり、わざわざ税務署へ行かなくても済むようになっています。パソコンやスマホで登録すれば、その中で作成と送信が出来るのです。

 私も数年前にe-Tax方式の手続きをしました。ところが、いざパソコンで送信しようとすると「受付不可」と表示されてしまうのでした。税務署に問い合わせると、確かに利用者識別番号の登録はされているという返事でした。しかし何度試しても駄目なのでした。仕方ないので申告書作成と印刷はパソコンで行い、それを税務署へ持ち込んでいます。自宅から税務署までは自転車で10分位で行けます。確かに係員へ手渡したという「申告書控え」を受け取るので、この方法でも悪くないと思い、続けています。

 

 そんな慣れている申告手続きなのですが、今回は税務署内でちょっと不審なことがありました。確定申告書にはマイナンバーを記入する欄があります。そしてその番号を確認するにはマイナンバーをコピーして添付するか、マイナンバーカードを提示するかの2通りがあります。今まではコピーして添付していました。今回は提示するやり方にしたのです。

 ところが税務署の係員は「次回からは添付するように」と言ってきたのです。なぜ提示では駄目なのかと私は問いました。確定申告の手引書には「提示か添付のどちらか」と明記されているのです。係員はなにやら説明していましたが要領が得られません。どうやら手続きに詳しくない人が係員として担当したようです。

 現在はどこも人手不足と言われています。慣れない人がアルバイトにでも来たのでしょうか。これからは何事も、専門担当だと思って鵜呑みにせず、相手任せにしてはいけないと思いました。

 

 年賀ハガキにはお年玉が付いています。以前は切手シートがよく当たったものでした。しかしここ数年はその切手シートも当たらなくなりました。なにしろ当選の該当番号数が少ないです。ずいぶん渋くなったものです。年賀ハガキの売上げ枚数が少なくなったからでしょう。

 私のところにも「今回で年賀状を出すのは最後にします」という案内が何通か来ました。年賀状は今後益々減っていくと思います。私は、相手の方が「終わりにしたい」という気持ちがない限りは続けたいと思っています。年に1度だけでも、その人のことをちょっと思い出す、そうした切っ掛けも大事だと思うからです。

 

 令和6年 今年から少しやってみようかと思うものがあります。それは今まで集めたものを活用するということです。先ず「切り抜き」です。今まで新聞を読んで、「あぁいい記事だな」と思ったものを切り抜いてきました。また本を読んで「いい文章だな」と思ったものをコピーして、それらをファイルに収めていました。

 しかし今までそのファイルを開けて、じっくり見たことがないのです。本棚に仕舞ったままになっています。「切り抜き」や「コピー」は一体なんのためにするのでしょう。それは後でもう1度読むための筈です。ただファイルに閉じ込めておいたのでは意味がありません。勿体無い。しかしともするとファイルしたことだけに満足して、そのままになっているのが現状でした。そのことに気づいて、切り抜きを少し読み返してみたのです。

 あぁこんな事があったなという懐かしさが湧いてきます。また当時は感動した記事も、今読むとたいしたことはないと思ったり、いいものはやはり良いものだと改めて確認できます。そうした作業は、自然と自分を振り返ることにもなるようです。

 

 もう1つは「録音もの」です。ラジオで「ちょっといい話」や「講演」などがあるとボイスレコーダに録音しておきました。これらもずいぶん溜まりました。ボイスレコーダは手の中にすっぽり入るほど小さなものです。その中に沢山の「いい話」が納まっています。しかしこれも唯録音しておいただけでは意味がありません。聞き直そうと思っています。

 聞くのは夕食後がいいようです。私は晩酌をします。夕食に唯ごはんだけを食するのはどうも味気ないのです。どうしても一杯飲みます。夏はビール、冬は日本酒か焼酎のお湯割りです。すると食も進み一日も終わりだという、気持ちに区切りがつきます。

 そうして自分の部屋に戻ると、酔いも手伝って小一時間ほど椅子に座ってボ~としています。このボ~としている時に「録音もの」を聞き直すのです。中には難しい内容のものもあります。それらは聞き流していきます。ほろ酔い気分で聞いて、自然と印象に残ったものがあればそれで満足します。文字どおり、右の耳から左の耳へ抜けるだけですが、ただボ~としているよりはいいようです。こうした時間が持てることは有り難いことであります。