木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第70回】母の要介護度と給付サービス

 以前から、「あったらいいな」と思っていた物がありました。座ることで正しい姿勢をケアするというシートです。普通の椅子に乗せて使用します。そのシートに座ると腰全体が包まれるような感じになります。腰が本来の正しい位置になるようにカーブがついているのです。前かがみになりがちな姿勢を半ば強制的に真っ直ぐにしてくれます。

 腰痛もちの私は、十数年前からこのシートを知っていました。店内に見本と称して置いてあるものを試してみたりもしました。ただ値段が高い(3万円弱)ことや、本当に腰に効くのかという迷いがあり、購入するまでにいたりませんでした。

 

 今月の初め自宅近くの薬局に行った時、其処にこのシートが販売されていたのです。値段は2万4千円でした。自由に試して良いという見本品も置いてありました。薬が出来るのを待っている間座ってみると、やはり具合が良いのです。「ちゃんと座りなさい」と言ってくれるように、腰を伸ばしてくれるのです。

 座り初めはちょっと痛い感じがするのですが、悪いところを矯正してくれているのだと思うと、却って心地良さを覚えるほどでした。購入意欲が湧きました。しかし薬が出来るのを待っている間のわずか10分間程度の試しです。本当に効くのかやはり疑問です。また自宅の椅子に乗せた場合、実際の座り心地はどうなのか分りません。あれこれ迷いました。

 

 そして思いついたことがありました。薬局は土曜日の午後から日曜日の間は休みなのです。その間にこの見本品を借りて、自宅で試したいと申し出たのです。薬局は本社にその旨を伝え、了解を得ることが出来ました。

 自宅で試した結果、購入することに決めました。腰の急激な改善は無理としても、長い間にはそれなりの効果はあるだろうという気がしたからです。私の場合、腰痛の他にも腰部脊柱管狭窄症という持病があるのです。気長に、少しでも症状が和らぐのを期待するばかりです。

 それにしても、私の母は一度も腰が痛いと言ったことがありません。手すりを使い、時には人手を借りながら何とかトイレへは行けますが、日中のほとんどはベッドに横たわっている状態です。身体を動かさないのに腰の筋肉が衰えないのかと不思議でなりません。

 

 その母ですが、今まで要介護1の認定を受けていました。介護認定は定期的に審査をします。そして今回の審査で要介護3になりました。数字からすると、ずいぶん介護度が重くなったことになります。確かに以前よりは身体の動きが鈍くなり、人の手を借りることが多くなりました。しかし一気に2段階上がるほど悪くなってきたとは考えられません。

 実は、元々この要介護1というのが正しくなかったのです。どう考えても要介護2くらいの状態なのでした。いろいろな人に話しを聞いてみると、審査というのは幅があって、審査する人によってずいぶん変わるようです。小一時間ほどの審査で書類を作成する訳ですから、絶対に正確という訳にはいきません。

 母は訪問診療を受けていますが、その担当医師も要介護1の認定では軽すぎると言っていました。今回の審査では、家族の意見もよく聞いてくれて、その場では表面に現れない不具合なども考慮に入れてくれたのだと思います。

 

 さて、その介護保険利用ですが、要介護3に該当したことで、給付内容が増えました。今まで知らなかったことですが、家計の面でも助かることなので、ここに述べてみたいと思います。新しく増えたのは次の3点です。

1.(紙おむつ及び日常生活用具の給付)

 紙おむつや尿とりパッド、防水シーツ、おしりふきペーパーなどが、1カ月5,000円以内で10%の価格で購入出来ます。つまり5,000円分のものが500円で購入出来るのです。

 注文すると業者が自宅まで届けてくれます。紙おむつや尿とりパッド、おしりふきペーパーは毎日使うものですから、ひと月分の経費も馬鹿になりません。10%の価格で購入できるのは大変助かります。

 

2.(寝具乾燥の利用)

 年間4回利用出来ます

・寝具乾燥一式サービス‥‥‥寝具1組(掛け布団、敷布団、毛布) 1回 572円

・寝具丸洗いサービス  ‥‥‥寝具2枚(掛け布団、敷布団、毛布 いずれか2枚)

                                1回 1,155円

                  毛布、タオルケットのみの場合は4枚まで

 寝具乾燥は乾燥車が訪問して当日実施してくれます。寝具丸洗いは事業者が預かって実施し、後日自宅に配達してくれます。また代替となる寝具を借りることも可能(無料)とのことです。

 寝具はかさばって重いので、コインランドリーに持っていくのは大変です。価格も安価なので助かります。

 

3.(訪問理美容サービスの利用)

 年間6回利用出来ます。1回 2,000円

・理容サービス(調髪、顔そり、洗髪(ドライシャンプー))

・美容サービス(カット、ドライシャンプー、ブロー)

 業者の方が自宅まで来てくれて理美容をしてくれます。夏季の汗をかく時期にシャンプーをしてくれるのは衛生的に良いです。ただドライシャンプーは、肌の弱い母にとってどうなのかと思っています。

 

 以上の3点が新たに加わった介護給付です。聞いてみると、こうした給付サービスは各自治体によって様々だということです。実施していない場合や内容も違うそうです。たまたま私の住んでいる川崎市では、こうした給付があるということを記しました。

 

追記

 ハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさんが、21日に誤嚥性肺炎で亡くなったのを知りました。享年72歳。NHK番組「猫のしっぽ カエルの手」に出演したのを見て、ファンになりました。このブログ「木もれ陽ベンチ」の写真はベニシアさんの四季の庭なのです。いわば借景です。ご冥福をお祈りいたします。