木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第63回】 夕食のおかず

 なんと美味しいのでしょう。なんと旨いのでしょう!おかずなんか要りません。お新香と味噌汁があれば充分です。さらに焼き海苔や秋刀魚などを添えれば、これはもう贅沢というものです。日本人に生まれて良かった。日本人バンザイ!‥‥‥と、思わず独りごちしてしまいました。

 そうです、新米です。あの炊きたてのホカホカ新米の季節になりました。お米にはコシヒカリのようにモチモチ感があるのと、ササニシキのようにサッパリ感がするのとあるようですが、私はサッパリ感の方が好きです。ただササニシキの方は生産が減っているそうです。寒さに弱く、栽培に手間がかかることが理由とのこと。

 それにしても何故新米は美味しいのでしょうか。味を言い表すことはとても難しいですが、ひとつは香りが良いことだと思います。口に持って来たときに漂う新鮮な風味、そして歯ざわりではないでしょうか。只今わが家でもその食感を味わっている最中です。

 

 さて、いくら美味しいからと言って、お新香と味噌汁だけで済ませるわけにはいきません。やはり副食は大事です。毎夕晩酌をする私は、ビールを飲みながらおかずを食べてしまい、ごはんはお新香と味噌汁で済ませています。おかずによってビールの味も変わってきますし、何より栄養バランスの点で副食は大切に考えねばなりません。その副食ですが、実はわが家では最近になって大きく変わったことがありました。自分たちで作るのでなく夕食宅配業者と契約して、出来合いのものを取るようにしたのです。

 

 理由は2つあります。家で作るおかずの種類がマンネリ化したのに飽きてきたことです。わが家では1週間ごとのおかずの種類が決まっていました。月曜日はこれ、火曜日はあれと言った具合に、7日間でひと回りするのです。これは日曜日に1週間分の食材をまとめ買いするために、どうしても決まったものを購入するためでした。

 2つ目は母親が台所仕事をしなくなった為です。96歳の母は、今までは夕方になると台所に立って、糠みそ漬けや野菜・果物の皮むきなどをしていました。足が弱いので日中の殆どはベッドに横になっていましたが、夕方の台所仕事だけは続けていました。煮たり焼いたりする、動きの必要な作業は出来ませんでしたが、じっと台所に立って、包丁を握ることは出来ていたのです。少しでもそうすることは体のためにも良いことなので、無理のない範囲でしてきました。

 しかしこの秋頃から、そうした作業が辛くなってきたようです。少しでもベッドに横たわっていたいらしいのです。

 

 そんなことで、以前から夕食宅配に興味を持っていましたので、この機会に契約して、出来合いものを取るようにしたのです。取るのはおかずだけです。ごはんは自分たちで炊きます。味噌汁も糠みそ漬けも自分たちで作ります。

 出来合いのおかずはバラエティに富んでいます。毎回7種類ほどのおかずが用意されますが、個人でこれほど凝ったものを作ろうとしたら手間が大変です。月曜日から金曜日の5日間利用し、土日は今まで通り自分たちで作ります。近所でも同じ様に利用している家族がいます。「味付けが同じで、やがて飽きるよ」と言われました。しかし2カ月経った今でも、一向に飽きません。それだけわが家は単純な味付けだったということなのでしょうか。

        夕食宅配のおかず

 

 夕食宅配にして良かったことは幾つかあります。

1.食材を買う手間がない。従って冷蔵庫に余裕が出来ました。

2.料理する手間がいらない。生ゴミの量も減りました。

3.食後の後片付けが楽になった。

4.経費の面でも経済的になった。わが家は3人(母、私、弟)ですが、夕食宅配おかずは2人分を取ります。それを3人で分けます。母親は小食なので、3人分取ると余ってしまうからです。

 確かに新鮮さや自分好みに合ったものを求めるなら、満足という訳にはいきません。それぞれ利点や欠点はあるものです。当分はこのまま夕食宅配のお世話になろうと考えています。そいうわけで、食生活の面で大きく変わったことを述べました。

 

 さて今年もあとひと月余りとなりました。恒例ですと、年末年始にはゆいま~る那須に行く私です。しかし今回は違います。実は今月の3日~6日にかけてゆいま~る那須に行ってきたのです。友人がゆいま~る那須を見学したいのと、近くにある藤城清治美術館に行くのが目的で、友人と一緒に例年になくこの時期に行きました。

 紅葉がいい具合になっていて、秋の季節のゆいま~る那須を初めて見ました。そんなわけでこの年末年始はわが家で過ごそうと考えています。わが家でお正月を迎えるのは9年ぶりになります。つまり、ゆいま~る那須と居住契約をしてから、それだけ歳月が経ったということです。誠に光陰矢の如しであります。

 

      紅葉のゆいまーる那須

      居室の窓から見る紅葉