木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第62回】 高価でも買わねばならぬ必需品

 もうすっかり秋です。ついこの間までの暑さが嘘のように、朝晩は冷え込みます。新型コロナウイルスの感染率も、一時期に比べずいぶん低くなりました。そうした中、政府はマイナンバーカードへの登録をするとポイントがもらえると、盛んに宣伝しています。最高額20,000円分。マイナンバーカードへ乗り気でなかった人も、そうした動きに合わせ次第に登録者数が増えているとのこと。

 私は初めてマイナンバーカードのことを聞いた時、何だかいい気持ちがしませんでした。まるで人間を番号付けして管理するような感じがしたからです。しかし、マイナンバーカードが健康保険証としても使えると聞いて、これはいいなと思い、昨年中に登録しました。

 現在川崎に住んでいる私は、いずれゆいま~る那須に移ります。その時に住所変更などが必要となります。健康保険証の手続きもしなければなりません。そんな時いつ病院に行かねばならないとも限りません。運悪く切り替え途中時に重なるかも知れません。そんなことでゴタゴタするよりも、マイナンバーカードを利用して済むならば面倒がないと思ったからです。

 

 その時点でポイントをもらえる条件は出来たのですが、どうやってもらっていいか分らず放置していました。それから1年ほど経ったわけですが、ついこの前、今後は健康保険証をマイナンバーカードに移行するという発表がありました。いろいろ問題点はありますが、1年前に私が思ったようなことが、より具体的になったという感じです。

 そんなことで行政の方もマイナンバーカード登録に、より力を入れてきました。ポイントの貰い方などについても個々に説明をする場所を設けました。私も折角登録しているのだから、この際ポイントを受取るために説明を聞きにいきました。ただ、公的給付金などを受け取る銀行口座の登録は躊躇しました。そうした紐付けをすることで預金額などを管理されたくないと思ったからです。

 

 マイナンバーカード登録で5,000円、健康保険証登録で7,500円のポイントをゲットしました。公的給付金などを受け取る銀行口座を登録すればさらに7,500円ゲットできます。ちょっと惜しい気がしました。何かよい手立てはないものか。その時ふと思い出したのは、ほとんど利用していないM銀行の口座を1つ持っていることでした。そうだ、このM銀行口座を公的給付金などを受け取る銀行口座として登録すればよいではないか。預金額も微々たるもので、例え管理されたとしてもどうということはありません。という訳でこれで7,500円、〆て20,000円分のポイントをゲットしました。

 しかし政府は何故こんなにもマイナンバーカード普及に力を入れているのか疑問です。将来は運転免許証も健康保険証もマイナンバーカードに移行すると言っています。もしマイナンバーカードを紛失した時、自分を証明する手立てはどうなるのでしょうか。今までは運転免許証や健康保険証がその役割をしてきたのです。そんな余計な心配もしてしまいました。

 

 話が変わりますが、最近電化製品が値上がりしています。いやそれだけでなく、諸々の物価が上がっています。ただ電化製品は金額も高いだけにより感じるのかも知れません。

 実は最近、ガス衣類乾燥機を買い替えたのです。今使っているのは23年前に初めて購入したものです。当時73歳だった母は、だんだん足腰が弱ってきていました。我が家は南側が隣家と真近に接近していて、日当たりが良くありません。洗濯をして干してもよく乾かないのです。仕方がないので2階のベランダに干していました。洗濯ものを持って1階から2階へと往復します。そうした動きが73歳の母にはつらくなってきたのです。

 そこでガス衣類乾燥機を買ったのです。洗濯機である程度乾燥した衣類を放り込むと、1時間弱で完全に乾燥します。わざわざ洗濯ものを2階のベランダに持ち込む必要もないし、物干し竿に吊るす手間も要りません。さらに良いのは雨天に関係なく、天気具合の心配をする必要もないことです。とても重宝に使っていました。23年間の中で故障して修理をしたのは3回ほどです。とても長持ちしました。

 

 しかしさすがに23年間というと、くたびれてきました。日常手入れをするフィルターの部品も壊れかかっています。本体もいつ故障するか分らない状態です。修理するにしても部品がありません。またガスの燃費もよくないです。もう買い替えた方がいいと、見積もりを取りました。

 実は6年前にも一度見積もりを取ったことがあるのです。それと比較してみて驚きました。乾燥機本体が35,000円ほど値上がりしていました。さらに乾燥機を置く専用台が別途30,000円ほどかかると言われました。現在使用している専用台とは仕様が変わったので再利用できないとのことです。6年前には再利用が出来たのにです。その他の部品も合わせると、計75,000円も値上げとなっていました。ずいぶん差がついたものです。なぜ6年前に購入しなかったのかと後悔しました。

 諸物価の値上げの上に、ガス衣類乾燥機は特定のメーカーしか製造しておらず、競争相手もいないために割高になっているそうです。しかしあと何年待ったら値下がりするという目途もありません。今更2階のベランダに洗濯物を干すやり方に戻ることも出来ません。我が家にとってガス衣類乾燥機は正に生活必需品なのです。

 23年間も使えた旧機に感謝しつつ、新機購入しました。今度のも長期間使えますようにと願うばかりです。