木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第38回 ままならぬインプラント治療】

■2つの問題点 

 前回記した通り、歯科医院へインプラントの相談に行ってきました。そこは15年以上も通院していて、とても丁寧で技術力もあると信頼しているところです。いよいよインプラント治療が始まるのかと期待して行きました。

 ところが話を聞いてみると、本で得た知識とは違うことが多く、いろいろ戸惑いました。最初の問題はインプラントメーカーです。本では世界シェアの9割近くを占めている、ノーベルバイオケア社(スウェーデン)かストローマン社(スイス)のインプラントシステムが安全で推奨できると書かれていました。

 しかしその歯科医院で採用しているのは別のメーカーのものでした。何か特長があるのかと問いましたが、現在は多様なメーカーがあって、人工歯根の素材も純チタンを使っているので安心、メーカーに余り拘る必要はないという答えでした。

 

 次の問題は人工歯冠の材料でした。ここでちょっと説明しますと、インプラントは3つの部品で成り立っています。1つは先ほどの人工歯根。歯の要である根っこの部分を言います。顎の骨と密着し、歯茎の中に隠れる部分です。インプラントとは「植立すること」を意味し、文字通り歯茎の中に挿入するのです。2つ目がアバットメント。

 そして3つ目が人工歯冠。歯茎の上に出ている部分のこと。口を開けたら実際に見える「歯」そのもののことです。人工歯冠はネジでしっかりとアバットメントに固定されます。アバットメントは人工歯根と人工歯冠の中間にあり、噛み合わせに大事な角度の調整役割をします。

 さてこの人工歯冠の材料ですが、金属と陶材(セラミック)があります。陶材は丈夫で白く審美的にも優れています。そのため自然の歯のように見えて広く採用されています。唯、丈夫なだけに噛み合わせの際に、相手の歯を痛めてしまう心配があるのです。その点、金属製は審美的には劣るが、相手の歯に対して優しいのです。

 私のインプラント治療は奥歯のため審美さは求めません。それよりも歯に優しい金属を希望していました。しかしその歯科医院では陶材しか扱ってないというのです。

 

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  上部構造=人工歯冠    インプラント体=人工歯根

 

■ゆいま~る那須に完全移住した時

 以上の2点が私には引っ掛かるのでした。そして図書館で本を借り、さらに詳しく調べてみました。確かにインプラントメーカーは多様に渡っていました。厚生労働省から認可を受けたものでも30社ほどあります。なにもノーベルバイオケア社とストローマン社に拘ることはないようです。

 唯、私が一番懸念しているのは互換性の問題です。将来、ゆいま~る那須に完全移住した時、もしここでインプラントした歯に故障が起きた場合、そのメーカーを採用している歯科医院がゆいま~る那須近くにあるかということです。メーカーが違えば、そこで使っている部品も道具も合わないのです。取り寄せるのに時間が掛かったり、中には治療を断る歯科医院も居ると聞きました。それを考えると世界シェアの9割近くを占めている、ノーベルバイオケア社かストローマン社のインプラントシステムの方が安心という訳です。

 もう1つ気になったことは、その歯科医院はホームページを見てもインプラントのことを余り記載していないのです。高額で難しい処置だけに、どんな取り組み方や方針を持っているかを知りたいのです。今のネット社会にあって、ホームページにそれらが記載していないのは意外でした。

 15年以上も通院していて、とても丁寧で技術力もあると信頼している歯科医院なので、できればそこでインプラントをしたかったのですが、どうしても踏み切れませんでした。結局右側と同じように部分入れ歯を作製することにしました。

 私は少し神経質なのかも知れません。余り考えず思い切って実行した方がいいのかも知れません。唯、私は14年前に直腸がんの手術をして、術後に尿閉という後遺症を持ってしまったため、医療や身体については用心深くなっているのです。

 

■3年日記の良さ 

 さて、今年もあと僅かとなりました。振り返ると新型コロナウイルスに振り回された1年でした。私は日記を付けているのですが、やはりコロナにまつわる話題が多いです。三日坊主だった私が日記を続けられたのは、3年日記というのを知ったからでした。1ページが3段に分かれていて、3年間分が書けるのです。

 ということは、ページを開く度に前年のことが読めるのです。去年の今日はこんなことがあった。一昨年の今頃はこんなことを思っていた。自分でも忘れていて、それを振り返られるのが楽しいからです。1年経ち2年経つと、当時はたいしたことでもなかったことが、それなりに意味を持ってくるようです。2010年に始めたので、もう11年も続いたことになります。我ながらよく続いていると驚いています。

 今はコロナで行動が制限され、時には書くことがなくて困る日もあります。でも例えつまらないと思うようなことでも、いつか3年日記を読み返して、「そう言えばインプラントに悩んだことがあったな。新型コロナウイルスに振り回された時代もあったな……」と、懐かしく思う日が来ることでしょう。継続することを大事に思い、これからも書き続けていこうと思います。