木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第41回】パソコンを買い替えて

■思わぬ影響が‥‥

 先月、パソコン(Windows)を買い替えました。今まで使っていたものは6年前に購入したものです。私がパソコンを利用するのは、メール、ネット検索、文章作成、写真、簡単な表計算、年賀状作成、印刷そしてこのブログ公開位です。Windowsは過去に95、98、XP、Vista、8、10といった具合に、数年ごとにバージョンアップしてきました。そして現在の10を最終段階として、それ以後Win11などは出ないと聞いています。

 なので、もう新しく買い替えることはないだろうと思っていました。唯、だんだん速度が遅くはなってきました。Updataの更新プログラムによって重くなってくるのです。しかし使えない訳ではありません。急ぎの作業があるわけでもなく、マイペースでやればいいだけです。

 ところがある日を境に、一段と速度が遅くなったのです。原因は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言です。平日は会社に出勤していた弟が、在宅勤務で家に居ることが多くなりました。当然仕事でパソコンを使います。只でさえ遅いところへ通信使用量が増えたので、Wi-fiに一層負担が掛かりました。それがパソコン速度に影響したのです。

 こうなるとマイペースだなんて悠長なことは言っていられません。余りにも遅くてイライラしてくる程です。時にはフリーズもします。パソコンは今後もUpdataの更新プログラムが続くでしょう。より重くなってくるのは目に見えています。そこでこれを機に買い替えたという訳です。

 

 思いますに、身近な道具でパソコンやスマホほど、高機能を備えた優れものはありません。人間英知の結晶です。私などはその機能の5%も活用していないでしょう。

 私が初めてワープロソフトを使ったのは、昭和57年頃です。当時まだパソコンは普及しておらず、ワープロ機が出回っていました。昭和41年に商業高校を卒業した私は、革靴メーカーに就職し、昭和57年頃は品質管理部門に席をおいていました。その仕事のひとつとして、お客さまからのクレームに対し、文書で説明する業務がありました。クレームに対するお詫びと原因説明そして対処法を記します。(ちなみに、当時革靴のクレームで1番多かったのは、ウレタンソールの加水分解でした。保存状態や経年劣化でウレタンソールがボロボロに欠けてしまう現象です)。

 この作業で一番重荷だったのは、自分が悪筆であるということでした。小さい頃から字を丁寧に書くということをしてこなかった私は、いくら体裁よくしようとしても、悪筆は簡単に直せるものではありません。「字は体を表わす」とか。自分の不器用さ、だらしなさを見せ付けられているようで、とても苦痛でした。

 

■悪筆から解放

 そんな時にワープロ機を知ったのです。初めは難しそうで中々手が出せませんでした。しかしその機能の中身を知って、「コレダ!」と思いました。まず自分の手で書かなくて済む。その上、いくらでも訂正が効く。これは素晴らしいと思いました。手書きだとちょっと間違ったとしても、また最初から書き直さねばなりません。ましてやクレームへの文書であれば尚更です。

 さらに、一度作成した文書を記憶媒体(当時はフロッピーディスク)で保存することが出来る。これなら、似たような内容のクレームの時、一から作成しなくとも、前に作った文書を応用できるのです。それになんと言っても手書きと活字では、見た目がまるで違います。活字で作成された書類は、企業の文書として正にぴったりでした。

 当時の卓上ワープロ機は、10万円強ほどの価格でしたが迷わず購入しました。最初の頃は珍しさも手伝い、用も無いのにやたらと手紙などを書き、友人に送ったものでした。ともかく、手書きでなく活字で印刷できることが嬉しかったのです。

 

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       捨てられずに置いてあるワープロ

 

■試行錯誤の頃

 パソコンに手を触れたのは、平成初めの頃でした。会社で少しずつ導入してきましたが、各課に1台割り当てられる程度でした。当時はWindows3.1バージョンで、表計算ロータス、文書作成は一太郎というソフトを使っていました。

 感動したのは、表計算の機能です。一度数式を作成すれば、後は数字を入力するだけで計算してくれるのです。笑い話ですが、パソコンの表計算で出た結果を、電卓で計算し直して確認する、などということも当初はありました。パソコンで作成した数式に自信がなかったことと、余りにも簡単に計算出来ることに戸惑いがあったからです。

 平成5年頃になると、パソコンが各自1台の時代になりました。ある営業マンが、売り上げに関するデータをグラフにしたり、統計化することを熱心に行い、デスクから離れないことがありました。幹部がそうした傾向を危惧し、営業職はもっと取引先を回ることが大事であると注意したことがあります。

 データをグラフにしたり統計化することは手段のはずなのに、いつしかそれを作成することが仕事のような錯覚を覚えてしまう。パソコンが普及し始めた頃にはそんなこともあったようです。まだまだ試行錯誤の時代でした。

 

 今から思うと、正に隔世の感があります。現代はパソコンやスマホがなければ成り立たない世の中です。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、感染防止のため出来るだけ人に近づかないように、離れるようにと言われています。そうした中にあっても自宅で仕事をしたり、会議や連絡を取れるのも、パソコンやタブレットスマホがあればこそです。

 今回パソコンを買い替えたので、速度が早くてとても快適です。新機になってもWindows10バージョンなので、操作が分りやすいです。過去にはバージョンアップする度に、操作方法などに変更があって、慣れるのに手間がかかったものでした。

 さてワープロ機から始まり、今までに何台パソコンを買い替えてきたことか……。私も73歳になりました。もう、今後はパソコンを新しくすることもないでしょう。これからも新アプリが出るでしょうが、目移りすることなく必要なものだけに絞り、マイペースでやっていきたいと思います。