木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第1回】 人生の「完成期」を那須で暮らしたい!!

■92歳母親の介護とゆいま~る那須の暮らし

私は6年前の65歳のときに、高齢者住宅の入居契約をしました。ゆいま~る那須という栃木県那須町にあるサービス付き高齢者向け住宅です。ただし、完全に住まいを移したわけではありません。

なぜなら、92歳の母親の介護があるからです。現在、神奈川県川崎市で、母と私、弟の3人で暮らしています。父は11年前に亡くなりました。

ゆいま~る那須へは、夏に家族3人で旅行の途中に訪ねたり、年末年始に私が一人で泊まるなどしています。那須に別荘がある感じです。

 

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ゆいま~る那須マロニエ建築奨励賞を受賞した高齢者住宅らしからぬ摸造建築

 

■死は終わりではなく、人生の完成である

なぜ、私がまだ元気なのにゆいま~る那須の入居を決めたのかお話しします。

それは、7年前、ゆいま~る那須のオープンにかかわっていた(一社)コミュニティネットワーク協会主催の講演を聞きに行ったことがきっかけです。立川昭二先生という病気や死についての文化的考察の専門家の講演でした。

講演後アンケートに答えたところ、数日後コミュニティネットワーク協会から『ゆいま~る』という冊子が送られてきたのです。そこで、協会の理事長であり医者である神代尚芳先生の提唱する「完成期医療福祉」という考え方を知りました。

それまでの私は、人は年を取れば死ぬものだし、病気や思わぬ事故で死ぬこともある、それは寿命であったり、運命といわれるもので仕方のないもの、できれば考えたくないものと思っていました。

しかし、この完成期医療福祉という考えは、死は終わりではなく、人生の完成と捉えるのでした。人は必ず死ぬ。そのことに目を背けず、しっかりと生きて、自分らしく死ぬ。その人生の完成に向かって、医療と福祉の両面から支える社会の仕組みをつくっていこうという理念に共鳴しました。そして、そうした完成期医療福祉の理念に基づき、100年コミュニティという「まち」づくりがあり、那須でそれをつくろうとしているのを知りました。

 

■自然に囲まれて老後を過ごす豊かさ

私は福島県の白河で生まれました。白河には5歳くらいまでしかいなかったのですが、小学校低学年の夏休み期間など、父母の実家がある白河で過ごしたものでした。そんなところからでしょうか、白河に近い那須という土地に何か故郷のような懐かしいものを感じました。

思い切って、ゆいま~る那須の宿泊体験ツアーに参加しました。入居者の方々は気軽に声をかけてくださり、人前に出るのが苦手な私でも何かホッとするものを感じました。100年コミュニティという「まち」づくりを目指すシステムの中で、似たような考え方を持った人々と交流し、那須の自然に囲まれて老後を過ごす。そんなことを想像すると、何かとてもぜいたくで豊かな気持ちになりました。

「死」ということも、終わりでなく完成であると考えるなら、そうした完成期をゆいま~る那須で暮らしてみたいと思うようになったのです。

実際に入居したとき、現実と想像していたこととは違うことも多いでしょう。しかし、何事も自分の思い通りになるものではありません。「ゆいま~る」という、互いに助け合っていく結びつきは、そこに住む自分たちみんなでつくっていくものだと思います。これからもできるだけ機会を作ってゆいま~る那須へ行き、皆さんに顔を覚えてもらいたいと思っています。

 

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ゆいま~る食堂は、地域の皆さんも利用できます

 

※このブログは、母の介護をしながら、契約した高齢者住宅にも通う私の、ゆいま~る那須のこと、介護のこと、また好きな本や映画について綴っていきます。