木もれ陽ベンチ

神奈川県川崎市在住の70代後半男性。栃木県那須町の高齢者住宅「ゆいま~る那須」を契約。90代後半の母の介護があり完全移住ではありません。現在は別荘気分で使用しています。

【第51回】万歩計1万を超す

 早いもので、今年もあとひと月ちょっとで終わります。この1年、新型コロナウイルスに振り回されていたようなものです。人にも会えないし、行動も制限されました。私のように殆ど家の中で過ごす者でもそう感じました。ましてや活動的な方々はさぞつらかっただろうと思います。ここにきて少し収束に向かっているようです。しかし油断はできません。急にまた増大しないとも限りません。

 安定しているこの時期に、久しぶりに友人と1杯やることにしました。もう2年近く会っていません。連絡したら友人も同じ思いだったようで、すぐに話がまとまりました。

 そのK君とはサラリーマン時代の同期生です。共に高卒で入社して以来の付き合いです。K君は74歳の現在も週4日ほど働いています。勤務時間が交代制でバラバラなのと、月に1度の夜勤があるのがちょっと難儀のようです。K君との夜の集合は20日(土)で、場所は横浜中華街にしました。

 

 土曜日で弟の勤め先が休みのため、母の介護を彼に任せ、私は昼過ぎに家を出ることができました。行きたいところがあったのです。神奈川近代文学館です。ここで樋口一葉展を開催しているのです。文学館は港の見える丘公園内にあり、JR石川町駅から徒歩20分くらいです。元町通りの商店街をぶらつき、公園までゆっくり歩きました。元町通りは中々洒落た店が多いです。なぜか家具店や宝飾店がよく目に付きました。公園にはバラ園があります。時季は過ぎていましたがほのかに残り香が漂っていました。

 樋口一葉は25歳足らずで亡くなりましたが、後世に残る作家です。映画や芝居で「十三夜」や「大つごもり」、「にごりえ」などを見て感動したものです。これは実際に読んでみなければと、本をめくったことがありました。しかし悲しいかな、とても読みこなせませんでした。私には難しくてあとが続かないのです。映像で味わうのが精一杯でした。それだけにせめて展示会でも見て、一葉ワールドに触れてみたかったのです。また近代文学館自体も施設改修工事のため、11月29日~来年4月1日まで休館するとのことでしたので、改修前の建物を見ておきたかったこともあります。文学館に向かう途中に霧笛橋があり、これも趣があって中々風情がありました。

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          樋口一葉展案内板

 

 

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        文学館側から霧笛橋を望む

 

 

 近くには大佛次郎記念館もあります。中々凝った建物で素敵です。と思って、パンフレットを見たら、この設計者は倉敷の大原美術館分館を設計した人とのことでした。館内はあまり広くありません。書棚に囲まれた寝室と豪華なベッドが印象的でした。大佛氏が金に糸目を付けず誂えたそうです。

 港の見える丘公園は景色がいいです。文字通り、横浜港が一望できました。皆が一様に背中を見せ、港を見ている光景は清々しいものがあります。

 

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         大佛次郎記念館

 

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        公園から望む横浜港

 

 横浜中華街でも、ぜひ見たいものがありました。ヨコハマおもしろ水族館です。子供用に色々工夫をこらしているとのこと。しかしコロナウイルス禍で入場者が激減し、11月23日をもって閉館すると聞きました。中華街の水族館ってどんなだろうと興味があり、閉館になる前に1度見たいと思ったのです。夕方の5時頃に着いたのですが、残念なことに門限時間となり入場できませんでした。この何事もよく調べて行動しないというのが、私の駄目なところなのです。

 仕方なく、中華街を散策したり土産店を覘いてみました。大変な人込みでした。小一時間ばかりぶらつきましたが、中華街はかなり広くて驚きました。小路がたくさんあって、うっかりすると迷子になりそうでした。1人なのに迷子とは変ですが、今自分が何処にいるのか分らなくなる位込み入っているのです。人にぶつからないようにして歩くほどの混雑ぶりでした。

 

 K君とは2時間ばかり会食しました。中華料理で味わう紹興酒が旨かったです。K君にゆいま~る那須を案内し、藤城清治美術館を共に見学することを、2年ほど前から計画していたのですが、コロナウイルス禍で実行できませんでした。来年の5月にはぜひ行きたいものだと、そんな話で盛り上がりました。

 家に着いてスマホの万歩計を見てみました。13,838歩となっていました。こんなに歩いたことは、ここ暫くはありませんでした。それにしても少しも疲れません。興味や好奇心を持って動いたせいでしょう。そして自分もまだまだ歩けるのだと自信を持ちました。

 ところが翌日です。足が重たいのです。だるいのです。それが2,3日続きました。年をとると体の反応も鈍くなり、後からじわじわと効いてくるというのは本当でありました。